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プリオン病

哺乳類の脳内にもともと存在しているある種のタンパク質(正常型プリオン)は、通常は通常のタンパク質であるが、立体構造が変わると自己増殖能を持つかのようなタンパク質(感染型プリオン)になる。感染型プリオンは隣接する正常型プリオンを次々に感染型プリオンに変化させる。「感染型プリオン」が隣接するだけで「感染型プリオン」に転化し、DNAやRNAの介在がないため、「DNA→RNA→タンパク質」の流れに従わないように見えるためセントラルドグマに当てはまらないように見えるが、大元をたどれば、感染型プリオンを作りやすい家系には遺伝子(DNA)変異が存在するので、全DNAが関与していないわけではない。食事から入ってきた感染型プリオンが脳にまで到達すると同様なことを引き起こす。(小腸でタンパク質はバラバラのアミノ酸まで分解されてから吸収されるのが基本であるが、小腸末端の回腸では一部タンパク質のままで吸収されることがある。)「正常型プリオン」と「感染型プリオン」の立体構造は、正常型では「αらせん」が多く、感染型では「βシート」が多いという違いがある。遺伝子変化によって、感染型プリオンが正常型プリオンアミノ酸配列が少し違う場合もあるが、その場合、そのアミノ酸配列の違いはβシートへの転化を起こしやすい場所であることも多い。なお、プリオン(prion)という言葉自体が「protein+infection(感染)」の略称であるので、「正常型プリオン」「感染型(異常)プリオン」という表現はおかしいのだが、健常者の脳内にも同様なタンパク質が存在することを明確にするためにこの表現を使うことも多い。

●ヒトのプリオン病の4分類

1、「孤発性」クロイツフェルト・ヤコブ病
  65歳以上の高齢者に低頻度で出現。加齢に伴いある頻度で誰でも「正常型プリオン→感染型プリオン」への転化が起こる

2、「家族性」
 プリオンを指定する遺伝子がある家系では突然変異により、βシートになりやすいアミノ酸配列を持つ。その家系では65歳以前でも発病することがある。

3、「医原性」(薬害ヤコブ)
 クロイツフェルトヤコブ病にかかった人の乾燥硬膜(脳を覆う膜)を脳損傷時などの移植に使ったため発病した薬害。

4、「BSE由来」

 ウシのプリオン病であるBSE(狂牛病)の肉を食べた人に発症した。若年層に発症し、牛肉の安全性に関して世界的に問題になった。

一般のタンパク質と異なり、熱にも強く、プロテアーゼ(タンパク質分解酵素)でも分解されない。
感染型プリオンは凝集性が高いので神経細胞に沈着し壊死させる。アルツハイマー病の原因のアミロイドも凝集性の高いタンパク質であり、
疾病の原因にはこのような凝集性の高いタンパク質が多い。
疎水部分がお互い集まって凝集していく場合が多い。

●種の壁を越えた感染
 哺乳類相互のプリオン病には相互感染しないものもある。ヒトは羊のスクレイピーを食しても感染しない。「羊→ヒト」のプリオンの構造が異なりすぎて隣接しても変化しない。
しかし「羊スクレイピー→牛BSE→ヒト新型ヤコブ病」では「羊→牛」「牛→ヒト」のプリオンの構造が比較的近いのでドミノ倒し的に感染していった。

原生物なんじゃないかと思うこともあります。研究したいですね。錯体と関係があったりとか。