がん関連遺伝子

無限増殖、転移能(metastasis)。なぜ転移能をもつ?プリオンか?分化か?これも多機能幹細胞となり得るのか?まるで細菌のようだ。ならば治療は遺伝子ターゲットがいいのでは?遺伝子が作るターゲットたんぱく以外の性質を安定に保持した細胞の集団を作れればいい訳だから。タンパク質の輸送のはたらきを抑える、または促進するよりも。抗がん剤を細胞外に排出してしまう多剤耐性P糖膜タンパクなんて簡単に獲得してしまうのだから。抗がん剤を増やす対処法では副作用が更にきつくなるだけ。P糖タンパクの働きを抑えて抗がん剤の細胞外へのくみ出しを阻害することで細胞内にとどまらせる。これじゃいつまで経ってもイタチごっこだ。がん原遺伝子はもともとは通常細胞の生理的な細胞の機能を担ってるってのに。がん抑制遺伝子が働かなくなったり。

1971年 「正常細胞+がん細胞」の融合細胞が
「正常」になる実験結果から、正常細胞にはがん化を抑制している遺伝子(がん抑制遺伝子)が存在していると予測される。

2ヒット理論とは、両親から受け継いだ2つのがん抑制遺伝子が、2つともヒット(突然変異)して初めてがん化に向かうという説。

1975年 RSV(ニワトリ肉腫ウイルス)が感染細胞をがん化させる遺伝子を、未感染のニワトリ正常細胞が保持していること発見。

1982年 ヒトでの代表的ながん遺伝子発見 
(ras遺伝子(rat sarcoma virus、ラットに肉腫を起こすウイルスの持つ遺伝子)がヒト大腸がん細胞も持つと発見。

1986年 家族性の網膜芽細胞(retinoblastoma)の遺伝現象が、劣性遺伝であったことから、普段がんを抑制している優性遺伝子の存在がわかった。

1987年 がん抑制遺伝子p53の突然変異ががん化を促進すること判明。

1996年 遺伝性腫瘍の遺伝子診断リストをアメリカ臨床腫瘍学会が発表。

2003年 ヒトゲノム配列完全解読。

2008年 国際がんゲノムコンソーシャム(がん遺伝子研究国際協力)スタート。

大部分の癌は、体細胞の遺伝子に変異が起こるため遺伝することはないが、小児の網膜芽細胞腫など遺伝性の癌では、生殖細胞に病気の原因となる変異が起こっている(DNA量が通常細胞の半分のもの)。遺伝性の網膜芽細胞腫は、常染色体にあるRB1と呼ばれる癌抑制遺伝子の片方が生まれたときから欠失している。RB1遺伝子は細胞周期のG1期からS期への移行を抑えているため、この遺伝子の不活化によって細胞増殖が活発になり、細胞が癌化へ向かう要因になる。癌は上皮細胞や骨髄細胞など分裂増殖する能力を保持している細胞から生じてくる。

「ヘイフリック限界」

染色体の安定性が失われない余裕を持った長さで分裂(50回)を自粛する。それを乗り越えて、安定性が失われるぎりぎりまで(70回)分裂することができ、これを延命細胞といいますが、延命の限界は70回で、それを超えると染色体の安定性が失われ死にます。50〜70回の間に、テロメアを延長できるテロメラーゼ活性を回復するとテロメアの長さを維持でき不死化し、その中からがん化するものが登場します。