三中心結合

三中心結合(さんちゅうしんけつごう)とは化学結合の概念のひとつで、ジボランや超原子価化合物など、伝統的な結合の考え方(二中心二電子結合、2c-2e)では構造を説明できない化合物について説明するために提案されたもの。3個の原子がそれぞれ1つずつの原子軌道を供給して3つの分子軌道、すなわち結合性軌道、非結合性軌道、反結合性軌道を作るとする。そのうち結合性軌道に電子が2個入ることで結合力が生じると考える。

三中心二電子結合 (3c-2e) 例: B2H6、Al2Me6、ノルボルニルイオンなどの非古典的イオン。電子不足な化合物に見られ、2電子が結合性軌道を占める。
三中心四電子結合 (3c-4e) 例: PF5、XeF2。超原子価化合物に見られ、4電子が結合性軌道と非結合性軌道を占める。

三中心四電子結合(さんちゅうしんよんでんしけつごう)とは三中心結合の一種で、超原子価化合物の結合を説明するために用いられる結合様式モデル[1]。1951年にジョージ・ピメンテル(英語版) (George C. Pimentel) が提唱した[2]三中心四電子結合モデルは、以前に電子不足の化合物についてRobert E. Rundleが研究した三中心結合モデル[3]を発展させたものであった。そこからPimentel-Rundle 三中心モデル とも呼ばれる。3c-4eと略される。

三中心四電子結合モデルは、同一直線状に並んだ3個の原子の間に考えられる。直線分子の二フッ化キセノンXeF2を例にすると、まずF-Xe-F構造の上に、それぞれの原子のp軌道から誘導された3個の分子軌道 (MO) があるとする。ふたつは3個の原子上に分布を持つ結合性軌道と反結合性軌道、もうひとつは2個のF上に分布を持つ非結合性軌道である。ここに4個の電子が入り、安定な2軌道、すなわち結合性軌道と非結合性軌道が電子2個ずつで満たされ、反結合性軌道は空のまま残る。結合性軌道に電子が入るのでF-Xe-F構造の間に結合力が生じる。ここでHOMOにあたる非結合性軌道は両端にある2個のF上に分布するため、電子の分布はF上に偏ることになる。一般に超原子価化合物において配位原子の電子密度が高いのはこのような理由による。


XeF2 の三中心四電子結合モデル
XeF2の結合は下のような共鳴式で描かれる。

[

F
X
e
+


F

F


+
X
e
F

]

この共鳴式も、Xe-Fの結合次数が 1/2 でありオクテット則が破られていないこと、 F上に負電荷が分布していることを表しており、上の分子軌道による説明と合う。

ただし、XeF2はその結合が(上記の共鳴から考えられるより)非常に安定であることから、実際の結合様式に関しては現在でも議論が続いている。2013年には、上記のF-Xe+F-という状態に加え、F-Xe2+F-という完全にイオン的な結合も同程度の寄与をしている、という計算結果が発表されている[4]。

他の超原子価化合物、五フッ化リン (PF5) や四フッ化硫黄 (SF4) では3個のP-F結合または2個のS-F共有結合とともに1個の三中心四電子結合F-P-FまたはF-S-Fがあるとする。六フッ化硫黄 (SF6) やキセノンの他のフッ化物 (XeF4、XeF6) では全ての結合は三中心四電子結合で表される。

古いモデルではd軌道の寄与で超原子価化合物が説明されていた。しかし電子が満たされたp軌道と空のd軌道とのエネルギー差は大きく、量子化学計算の結果はd軌道の寄与はほぼ無視できると示している[5]。三中心四電子結合モデルは、d軌道を考慮する必要がない利点により受け入れられている[6]。

計算化学(けいさんかがく、computational chemistry)とは、計算によって理論化学の問題を取り扱う、化学の一分野である。複雑系である化学の問題は計算機の力を利用しなければ解けない問題が多いため、計算機化学と呼ばれることもあるが、両者はその言葉の適用範囲が異なっている。

近年のコンピュータの処理能力の発達に伴い、実験、理論と並ぶ第三の研究手段と考えられるまでに発展した。主に以下の手法を用いて化学の問題を取り扱う。

分子軌道法(MO法)
分子動力学法(MD法)
モンテカルロ法(MC法)
分子力学法(MM法)
密度汎関数法(DFT法)

核ミサイルキャンセリングシステム「ハッピークリスマス」

空を見上げたら星がなかった
そんな東京の東京による東京のための当たり前が俺を刺激している
日々無機質になっていく外の様子なんて関係なくて日々有機的になっていく
俺は冷めたコーヒーを片手にテレビに相槌を打っては自分は違うなんて考えてるんだ
誰が偉いとか偉くないとか良い人だとか悪い人だとか金持ちだとか貧乏だとか
そんなのどうでもいいんだけど、やっぱり心臓がむず痒くなったり
あいつのこと嫌いになったり相変わらず小さいこと気にしちゃうんだよな
そうやって苦しくなったら、いつもは見ても何にも感じない甘いラブストーリーでも
泣けてきてしまう自分に嫌気がさしたりもするよそりゃ
今日はあれしようこれしようなんて志がいつの間にか曇ってしまった
いつからだっけ
わからない
わからないから怖いんだけど
自分に一番優しい自分のせいで妙な安心感を得ている内は
本当のことなんてわからないんだろうな
わかるはずないんだろうな

内面剥がして心見せる
それが東京
俺の東京
某東京

意外と人生は面白いなんて言ってるおっさんにだけはなりたくない
牛丼屋のカウンターでビール飲みながら泣いてるOL には絡まれたくない
俺は普通なんだけど普通じゃない
そんな大人になりたかったんだ

1K でバストイレ別で64000 円が安いなんて感覚に慣れるとは思ってなかった
満員電車から吐き出されるのは仕方ないから遅刻したって
罪悪感を感じない学生になるなんてもっと思ってなかった

内面剥がして心見せる
それが東京
俺の東京
某東京

ここにきて一番思ったのはめちゃくちゃ狭いってことだった
東京も6 畳の部屋もそんなに変わらないと思った
ほとんど同じだ
心だけは狭くならないように生きてきたつもりだけど
今後どうなるかわからない
わからないのが人生だから意外と面白い
結局言っちゃったよ
結局言っちゃったよ

内面剥がして心見せる
それが東京
俺の東京
某東京

Serial Parallel Bus

ユニバーサル・シリアル・バス(英語: Universal Serial Bus、略称:USB、ユーエスビー)は、コンピュータ等の情報機器に周辺機器を接続するためのシリアルバス規格の1つである。

ユニバーサル(汎用)・シリアル・バスの名の示す通り、ホスト機器にさまざまな周辺機器を接続するためのバス規格であり、最初の規格となるUSB 1.0は1996年に登場した。現在のパーソナルコンピュータ周辺機器において、最も普及した汎用インターフェース規格である。(後々、レガシーポートとも呼ばれるようになる)従来からのRS-232CシリアルポートやIEEE 1284パラレルポート、PS/2コネクタの置き換えを狙ってコンパックディジタル・イクイップメント・コーポレーション (DEC)、IBMインテルマイクロソフト日本電気株式会社 (NEC)、ノーテルネットワークスの7社が合同で1994年に開発を行い、Windows 98において正式にサポートされたことで普及した。

USB規格では、1つのバスについて周辺機器は最大で127台接続可能である。接続口が足りない場合には、ツリー状に拡張できるUSBハブの使用も想定している。プラグアンドプレイにも対応しており、規格制定当時の一般的な外部インターフェースでは不可能だったホットプラグも可能としていた。

さらにUSB 2.0の登場によって転送速度が大幅に向上し、従来はIDESCSIイーサネットなど高速転送規格が必要だったハードディスクドライブ等の機器との接続にも用いられている。

ホストバスアダプタからの周辺機器への電源供給を規定している(バスパワー)。そのため従来のコンピュータ周辺機器だけでなく、事務用品や携帯電話、デジタルオーディオプレーヤーなど多様な機器へ電力を供給をする用途にも使用されるようになった。この機能に特化してデータ通信を一切行わない安価な接続ケーブルも販売されている。

USBはホスト機器と周辺機器を接続する規格であり、ホスト同士・周辺機器同士の直接接続には非対応で、電力供給能力が低いといった限界や柔軟性に欠ける部分はあるものの、現在のパーソナルコンピュータ環境では利便性に優れ、周辺機器との接続に最も使用される規格である。特に外部記憶デバイスとして扱えるUSB接続のUSBメモリは可搬性の高さからよく利用されている。

当初はインテルマイクロソフトコンパック(現:ヒューレット・パッカード)、ディジタル・イクイップメント・コーポレーション(現:ヒューレット・パッカード)、IBM日本電気、ノーザンテレコム(現:ノーテルネットワークス)が仕様を策定したが、2009年3月現在では、NPOである"USB Implementers Forum, Inc." (USB-IF) が仕様の策定や管理などを行なっている。USB-IFは、インテルヒューレット・パッカードマイクロソフト日本電気NXPセミコンダクターズテキサス・インスツルメンツの6社が主導企業であり、合計180社で構成される。

バス (英: bus) とは、コンピュータの内外、各回路がデータを交換するための共通の経路を指すコンピュータ用語である。

コンピュータにおいて、1つの信号線・通信線に複数のデバイスがぶら下がる構造を「バス型トポロジー」と言う。(詳細はネットワーク構成を参照。)本項目の「バス」の由来はこれである(もしくはそのもの)。

そのため、1対1で接続する専用経路(「ポイントツーポイント」)の場合はバスと言わない。バスに似た用語としてチャネルがある。チャネルは「入出力チャネル」のように、メモリと入出力との間の通信路を指す事が多い。

多くのコンピュータは、CPUなど、コンピュータの中心機能と、周辺機器や各種制御部を繋ぐためにバスを使っている。アーキテクチャが単純だった黎明期のコンピュータでは、各要素が単一のバスに接続されていた。たとえば、サン・マイクロシステムズの初期のワークステーションでは、VMEバスやマルチバスを使っていた。しかし、コンピュータの性能が向上するにつれて、CPUと各機器とを繋ぐバスの伝送容量も向上させる必要があり、次々と新しいバスに切り替わっていった。

マイクロプロセッサのメモリバスもこれまではバス型トポロジが主流だったが、メモリの高速化に対応してチャネルへと移行しつつある。また、マルチプロセッサ構成を採るワークステーションが性能を最大化するために複数のプロセッサとメモリーとの間での多対多の同時通信を行えるようにしたクロスバースイッチを採用してきたように、マルチコアやメニーコアを備えた新世代の高性能マイクロプロセッサの内部でも、多くのコアとキャッシュメモリーや外部との高速大容量の伝送を可能にするために、チャネルに代わってクロスバースイッチやリングバスが採用されるようになっている。

機器内部の構成要素が接続されるものを内部バス、外部機器と接続するものを外部バスという。この分類はどこに視点を置くかで、たとえばマイクロプロセッサ、コンピュータの内部基板(マザーボード等)、コンピュータ装置の筐体、等で分類の仕方も変わる。位置を明示した「CPU内部バス」等といった表現や、メーカーの「標準機器」と「拡張機器」といった商策上の分類などから拡張バスといったように呼ばれるものもある。

1ビットずつ順番にデータを転送するバスをシリアルバスと呼ぶ。通常はクロック信号線は存在せず、受信側での復調に必要なクロックのタイミングはデータ信号に重積して送っている。通信線路の本数が少なければシールドを充実させたり、平衡接続も比較的容易になるため高周波信号が扱いやすくなる。複数の通信線路では互いの信号間でのタイミングがずれるタイミング・スキュー問題が起きるがシリアル化によって回避できる。クロストーク(干渉)の問題も減少する。求められる通信容量の増大に対応してシリアルバスを複数組、束ねるものが現われているが、それぞれの伝送路に流れているのは個別のシリアル信号であって互いの信号間にクロックの同期はない。シリアルバスの多くが通信線路の両端に送信端と受信端を持つチャネルであり、物理的には本来のバス型トポロジーではない。チャネルであれば原理的には線端反射やスタブの影響を受けずにノイズの少ない高周波動作に適した通信路が得られる。初期のシリアルバスは、パラレルバスよりも遙かに低速だった。

RS-232C
RS-485
IEEE 1394
USB
PCI Express
シリアルATA
1-Wire
など

シリアルバスが1ビットずつデータを転送するのに対して、元データそのものや元データから切り出した複数ビットをひとかたまりにして、同時に複数本の通信路で情報を伝送するバスである。パラレルバスが必ずバス型トポロジーを採るとは限らないが、バス型トポロジーを採用するものが多い。クロック信号の専用線がデータ線と平行して設けられており、受信側でのデータ復調の同期に使われる。

信号線の本数が多いので、一般的には不平衡接続が採用されており、シールドの不足や線路間のクロストーク、路線長・LRC特性の違いなどによるスキューによって高速伝送にはあまり向かない。

ビット数すなわち平行する線路数は、8・16・32が多い。

コンピュータで使用されるデータバスやアドレスバスに採用例が多く、外部デバイスをつなぐバスとしても用いられ、GPIB、IDE/(パラレル)ATASCSIPCIなどがある。高速化に限界があるため、PCIの改良版PCI ExpressやパラレルATAの改良版シリアルATAでは、データラインはシリアルバスとなっている。

バス型トポロジーを採るバスでは、複数の送信回路が存在するために同時に送信を行わないよう、伝送路へ信号を送り出す権利を調停する回路が設けられるのが一般的である。このような回路はバス・アービターと呼ばれ、バス・アービトレーションを行う。調停回路を設けずにバスの使用権を各送信回路へ順番に与える方式もあるが、バスの伝送効率は悪くなる。

チャネルと異なり、複数の送受信回路が存在するバス型トポロジーを採るバスでは、仮に両端の終端処理を正しく行っても、途中の送受信回路の接続線やコネクタ類は「スタブ」と呼ばれる引き込み部分を構成してこの部分で信号波形は劣化する。仮に途中のコネクタが空のまま放置されればコネクタの引き込み線部分から反射が生じる。路線長の違いや伝送特性の違いなどを補正するために、伝送路を使用する前にトレーニングを行って平行するデータ線の信号特性を最適化するような工夫も行われたが、長い配線を引き回しながら十分なシールドを行うことは難しく、コモンモードノイズは不平衡伝送では除けず、外来ノイズやクロストークを抑えながら高速信号の波形を乱さないように扱うには限界がある。

スタブ (stub) とは、コンピュータプログラムのモジュールをテストする際、そのモジュールが呼び出す下位モジュールの代わりに用いる代用品のこと。下位モジュールが未完成でも代わりにスタブを用いることでテストが可能になる。逆に上位モジュールの代わりに用いる代用品をドライバ(ソフトウェアの場合)またはコントローラ(ハードウェアの場合)と呼ぶ。ただし、仮のモジュールではなく正規のモジュールについてもドライバ/コントローラと呼ばれる事があるので、区別するために「テストドライバ」や「サンプルドライバ」などと呼ぶ事も多い。

なお、stubの原義は使い残し、半券、切り株と言った意味である[1]。

呼び出す側(上位)のモジュールを検査する場合に、呼び出される側(下位)の部品モジュールが未完成であることがある。このとき、呼び出される側の部品モジュールの代用とする仮のモジュールを、「スタブ」と呼ぶ。スタブモジュールは設計仕様に定義されている全ての関数を実装してあるが、関数内部は正規の動作をせず、定数を返すだけという作りになっている事が多い。下位モジュールの関数の戻り値によって、上位モジュールの動作が分岐する場合は、その分岐パターンを満たすための最低限のいくつかの定数を返す、複数のスタブを作る場合もある。あるいは(その関数が引数をとる場合は)与えられる引数によって(正規の処理とは関係ない、最低限の分岐処理だけを実装し)、それらの値を返すスタブを作ることもある。

たとえば複数人でプログラミングをするときなどでは、初めはモジュールごとにプログラムを作成し、後で各モジュールを結合(リンク)して、全体としてうまく動作するかどうかをテストする。この結合テストの前段階で、個々のモジュールは、あらかじめ正当性を検査しておくことが望ましい。その場合、呼び出す部品モジュールがまだ完成していないときには、スタブが用いられる。スタブは、単純で何もしないようなものであってもよく、テストしたい部分とリンクして動作させるのに十分であればよい。

また、このようなスタブは、モジュールの仕様設計の段階で作られる事が殆どである。とりあえず設計段階で中身の無いスタブモジュールを書く事によって、モジュール間の結合の設計に問題がないかを具体的に確かめながら仕様設計ができるからである。また、スタブモジュールのみを作成することもまずありえない。スタブモジュール作成によって工数を消費することはデメリット以外何物でもないからである。

一般にテストする対象が上位階層のモジュールであって下位の部品が未完成の場合、その代用となる仮の下位階層モジュールを、「スタブ」と呼ぶ。

いずれの場合も、全体のプログラムテストを飛躍的に効率よくする役割を果たす。

組み込みシステムのソフトウェアを開発する際には、コンパイラなどの開発ツールを動かすコンピュータ(ホストコンピュータ)と、開発対象となるコンピュータ(ターゲットコンピュータ)は全く異なるものであることが多い。この時、プログラムを実際に動かしながら動作を確かめるデバッガは、ユーザインタフェースを必要とする本体部分をホストコンピュータ上で動作させ、ターゲットコンピュータ上では本体部分から通信線による指示を受けてCPUやメモリの状態を読み書きする小さなプログラムを動かしておくという構成になることが多い。この、ターゲット上の小さなプログラムを「スタブ」と呼ぶ。

このようなデバッガのスタブは、当然の事ながらターゲットコンピュータのCPUに強く依存したものになり、しばしばアセンブリ言語を用いて作成される。スタブが行なわなければならない主な内容は、次のようになる。

ホストコンピュータとの通信回線を初期化する
任意のメモリ内容を読み出して通信回線に送り出す
任意のメモリ内容を通信回線から受けたデータで書き換える
CPUの内部状態(レジスタ)を整えて、実行コードの任意の位置に制御を移す
実行コード中にソフトウェア割り込み命令を埋め込みターゲットソフトウェアの実行を一時的に停止させスタブに制御を戻す
上記のソフトウェア割り込み発生時にCPUの内部状態を読み取って通信回線に送り出す
組み込みシステム用ソフトウェア開発においては、このスタブを早い段階で安定動作させる事ができるかどうかが、その後の開発作業がスムーズに進むかどうかに大きく影響する。なお、スタブ自身のデバッグ作業には、一般にはハードウェア的にCPUの動作を制御するインサーキット・エミュレータを用いる。このインサーキット・エミュレータは比較的高価な装置であるため、開発人員全員の分を用意すると、開発コストが高くなってしまう。このため、スタブを開発する際やソフトウェアデバッガではどうしても検出できない事象を確認する際などの要所にのみインサーキット・エミュレータを用い、それ以外はスタブを活用して開発作業を進める事になる。

 

アドビ

comma-separated values(略称:CSV)は、いくつかのフィールド(項目)を区切り文字であるカンマ「,」で区切ったテキストデータおよびテキストファイル。拡張子は .csvMIMEタイプは text/csv

「comma-separated variables」とも言う。広く普及した訳語はないが、「カンマ区切り」などとも呼ばれる。Microsoft Excelでは「CSV (カンマ区切り)」としている。

データ交換用のデファクトスタンダードとして、古くから多くの表計算ソフトやデータベースソフトで使われているが、細部の実装はソフトによって異なる。それらを追認する形で、2005年10月、RFC 4180 で Informational(IESGの外部で決定された有用な情報の提供)として仕様が成文化された。

類似したフォーマットとして、タブ区切りされた tab-separated values (TSV)や、半角スペース区切りされた space-separated values (SSV) などがあり、これらをまとめて character-separated values (CSV)、delimiter-separated values (DSV) とも呼ばれることも多い。

RFC 4180に述べられた仕様について述べる。

ファイルは1つ以上のレコードからなる。レコードは改行(CRLF、U+000D U+000A)で区切られる。最後のレコードの後には改行はあってもなくてもいい。

レコードは1つ以上の同じ個数のフィールドからなる。フィールドはコンマ「,」(U+002C) で区切られる。最後のフィールドの後にはコンマは付けない。

(以下の例では、読みやすさのためにCRLFの前にスペースを書くが、実際はないものと思って読んで欲しい)

日本国,東京,127767944 CRLF
アメリカ合衆国,ワシントン,300007997 CRLF

なお、最後のフィールドの後にはコンマはないので、もしレコードがコンマで終わっているように見えれば、実際はその後に空文字列(長さ0の文字列)からなるフィールドがある。次のレコードは、「日本国」「東京」「」の3つのフィールドからなる。

日本国,東京, CRLF
ファイルの先頭には、オプションとして、通常のレコードと同一の書式の「ヘッダ行」があってもいい。ヘッダ行は、他のレコードと同じ個数のフィールドを持ち、フィールドの名称が書かれている。

国,首都,人口(2006) CRLF
日本国,東京,127767944 CRLF
アメリカ合衆国,ワシントン,300007997 CRLF

フィールドは、ダブルクォート「"」(U+0022) で囲んでも囲まなくてもよい。次の3つのレコードは、(文字列としては)同じ内容である。(ただし、RFCはフィールドの解釈までは規定していない。一部のソフトはダブルクォートで囲まれているかどうかで解釈を変える)

日本国,東京,127767944 CRLF
"日本国","東京","127767944" CRLF
"日本国","東京",127767944 CRLF
フィールドがコンマ、ダブルクォート、改行を含む場合は、かならずダブルクォートで囲む。また、フィールドに含まれるダブルクォートは2つ並べてエスケープする。次のレコードの内容は、「日本[改行]国」「"東京"」「127,767,944」である。なお、ここでいう「コンマ」「ダブルクォート」はU+002CとU+0022のことで、他のもの(たとえば全角コンマ)は関係ない。ただし、「改行」にはCR (U+000D) とLF (U+000A) を含む。

"日本 CRLF
国","""東京""","127,767,944" CRLF

コンピュータ内部において、データベース内のテーブルや表計算ソフトの表の内容は、それぞれのソフトウェアが処理可能な独自のファイルフォーマットで保存されていることがあり、そのような場合は別のソフトウェアへデータを移そうにも基本的には互換性はないため読み込むことはできない。

カンマ区切りテキストは、テキスト形式で保存されるので、テキストエディタでも閲覧や編集ができる。さらに、使用するソフトウェアが、カンマ区切りテキストの出力 (エクスポート) と、読み込みから表への生成 (インポート) に対応していれば、別製品のデータベースソフトや表計算ソフトからのデータ交換が可能となる。

しかし、「テキスト形式」や「日付形式」といった各項目に設定している属性は出力されないので、インポートする側のソフトウエアがインポートする際に設定しなくてはいけない。

Microsoft Excelに代表されるパソコンの表計算ソフトが流行して以降、非常によく利用されるようになった。大型コンピュータとのデータのやりとりでは固定長データフォーマットがよく利用される。現在では、XMLを使おうという動きもあるが、主流にはなっていない。

Portable Document Format(ポータブル・ドキュメント・フォーマット、略称:PDF)は、アドビシステムズが開発および提唱する、電子上の文書に関するファイルフォーマットである。1993年に発売されたAdobe Acrobatで採用された。

特定の環境に左右されずに全ての環境でほぼ同様の状態で文章や画像等を閲覧できる特性を持っている。

アドビシステムズはPDF仕様を1993年より無償で公開していたが、それでもPDF規格はAdobeが策定するプロプライエタリなフォーマットであった。2008年7月には国際標準化機構によってISO 32000-1として標準化された[2][3][4]。アドビはISO 32000-1 についての特許を無償で利用できるようにしたが、XFA (Adobe XML Forms Architecture) やAdobe JavaScriptなどはアドビのプロプライエタリな部分として残っている。

PDFのドキュメントは、Adobe Acrobat Readerに代表されるPDFビューアーがインストールされているコンピュータであれば元のレイアウトどおりに表示・印刷できる。Acrobat ReaderはWindowsmacOSLinuxなど各種オペレーティングシステム (OS) に対応したものが無償で配布されており、他のPDF閲覧ソフトも数多く存在するため、PDFファイルは多くの環境で閲覧・印刷できる。

PDF以外の電子ドキュメントは、ほかのコンピュータ上で元のレイアウトを保持したまま表示・印刷するのは難しい。例えば、WordやExcelなどMicrosoft Officeのドキュメントは、対応するソフトウェアもしくは無料のビューワーをインストールすれば閲覧することは可能だが、バージョンや設定が違っていたり、フォントの有無が原因で編集者が意図した通りのレイアウトを保てない場合がある。HTML のドキュメントは多くのコンピュータで閲覧できる。しかし、レイアウトの制限が大きい上、OSやウェブブラウザ(HTMLレンダリングエンジン)の種類・設定でレイアウトが変わりやすい。

そのため、厳密にレイアウトを保持する必要のあるドキュメントはPDF化することが多い。ただし、フォントの設定によっては、PDFでも元のレイアウトを保持できない場合がある。この問題は、フォントを埋め込むことで回避できる。

PDFは、アドビシステムズが開発し印刷業界の標準として普及していたページ記述言語PostScriptを元に策定された。

PDFでは、コンピュータ上でのデータ交換のために次の機能が追加されている。

ファイルに含まれる各ページへのランダムアクセスに対応。この機能により、必要なページをすばやく表示できる。PostScriptでは前のページの処理結果がないと現在ページの描画が出来ない場合があるが、PDFでは各ページで完結したコンテンツにされる。
フォントの埋め込み
文書情報など、本文以外の情報を入力できる。PDFではしおり・リンク・注釈なども本文とは別の情報として扱われる
透明の概念(後にバージョン1.4で追加)
PDFには、PostScriptの持っているプログラミング言語としての機能はなく、HTMLなどと同様のデータ記述言語となっている。 たとえばPostScriptのif やloopといったプログラム用命令は取り除かれている。一方linetoなどは残されている。 これはファイルを開いた場合にエラーが発生する可能性を小さくし信頼性を高めるためという事と同時に、PostScriptが持つ特徴の一つである、インタープリタによる実行環境への依存性を極力排除していく方向性からである。

このように元々PDFはPostScriptから発展・派生したという経緯を持つため、PostScriptとPDFは似た特性を持っており、相互の変換は比較的容易である。実際、Acrobatに含まれるDistillerでは、各種アプリケーションのデータをいったんPostScriptファイルに変換(WindowsMacintoshではプリンタードライバを経由する形で行われる)し、それを元にPDFを生成している。しかし、PDFを作成するには、必ずしもPostScriptを経由する必要はなく、例えばGDI経由で直接PDFを作成することも可能であり、実際にそういった形で動作(GDI→PDF)する製品は多数存在する(「いきなりPDF」もこのタイプである)。

旧バージョンのQuark XPressなどからPDFファイルを作成するには、PostScriptファイルを生成したうえで"Distiller"というAdobe Acrobatに添付のソフトを使ってPDFファイルに変換するのが一般的である。また、Adobe InDesignIllustratorPhotoshopQuark XPress(バージョン6以降)を使うと、Acrobatなどは使わずに直接PDFファイルを作成できる。

PDFファイルはCOS ("Carousel" Object Structure) のサブセットでである。COSのツリー構造は以下の8種のオブジェクトで構成される。

ブーリアン
数値
文字列
名前
配列: オブジェクトに順序を与えた集合
辞書: オブジェクトに名前を与えた集合
ストリーム: 大きなデータに使われる
ヌルオブジェクト
オブジェクトはobject number とgeneration bumberで番号付けされ、xref table表が各オブジェクトのファイル先頭からのオフセットを記述する。

この利点はファイル内のランダムアクセスを容易にすることで、またファイルの変更があった際に変更点を追記するだけでファイル全体の書き直しを行わなくてよくなる。 PDFのデータ配置は リニア(最適化)とノンリニア(最適化なし)の2種類がある。最適化なしは、PDFの変更箇所がファイル末尾に追記された状態であり、デメリットはファイル全体をダウンロードしてからでなければファイルの表示内容を確定できないことである。最適化された場合は、末尾にあった変更点が各ページに適用されて、Webで表示させる場合などに好きなページから表示させられるメリットがある。

ラスターイメージ(Image XObjectsと呼称)は、PDF内では辞書と、関連づけられたストリームで表現される。辞書には画像のプロパティが記述され、ストリームにはイメージデータが記述される。画像は複数の圧縮方式でフィルターされる。サポートされるフィルターは以下のものがあり、用途に応じて画質とサイズのバランスを選ぶことができる。

ASCII85Decode ストリームをASCIIの7ビットで表現するもの
ASCIIHexDecode ASCII85Decodeに近いがよりコンパクトになる
FlateDecode zlib/deflate(いわゆるgzip形式。zipではないので注意)アルゴリズムで圧縮するもの。; PDF 1.2より実装
LZWDecode LZWアルゴリズムで圧縮するもの。;
RunLengthDecode ランレングスアルゴリズムによるシンプルな圧縮
DCTDecode JPEGに採用された 非可逆圧縮
CCITTFaxDecode CCITT (ITU-T) faxで規定された 可逆 2値 (黒/白)圧縮。Group3とGroup 4がある
JBIG2Decode JBIG2標準で定義された黒白二値の形式。可逆、非可逆が選べる。PDF 1.4より実装
JPXDecode JPEG 2000標準で定義された形式。可逆、非可逆が選べる。PDF 1.5より実装

以下の14書体については、ソフトウェアは必ず装備するか、同じ寸法の代替フォントを装備しなければならない。ソフトウェアは以下のフォントの寸法について情報を保持し、もしPDFに埋め込まれていない場合は同じ寸法の代替フォントで表示する。

Times (v3) (in regular, italic, bold, and bold italic)
Courier (in regular, oblique, bold and bold oblique)
Helvetica (v3) (in regular, oblique, bold and bold oblique)
Symbol
Zapf Dingbats

テキストはPDF内のコンテント ストリーム内でテキスト エレメントとして記述される。テキストエレメントはどの文字がどの座標に表示されるかを定義し、どのフォントとエンコーディングを使うかも記述する。

テキストストリーム内では、文字は文字コード(番号)によって記述される。WinAnsi、MacRomanのほか東アジアの各種言語のエンコーディングが定義されているほかに、フォント自身に独自のエンコーディングを持つことも出来る。 基礎がType1フォントを前提に作られたので、TrueTypeフォントなどを記述する場合は、非常に複雑な記述になる。

PDFファイルには、音楽、動画などのマルチメディアファイルを含めることができる。 そのためPDFファイルは、コンピュータを使ったプレゼンテーション用に使うこともできる。 2005年にアドビシステムズFlash の開発・推進を進めてきたマクロメディアを買収しており、それ以降アドビシステムズによる Flash と PDF との統合が進められている。

そのためAdobe製品によるPDF表示では、Flash形式のファイルが埋め込まれていてもプラグインなどをインストールせずに再生することが出来る。しかしQuickTimeはサポートされない。これはAppleAdobeの敵対的な関係を示しており[要出典][58]、そのためAppleiOSバイスではリッチメディアPDFはインタラクティブ性が損なわれる。

またフォームはユーザーに入力させるメカニズムで、AcroForms(PDF 1.2より)と Adobe XML Forms Architecture(XFA)(PDF 1.5より) の2種類が使える。[59]XFA仕様はPDF仕様に含まれておらす、オプション機能として言及されているだけである。

 

 

 

File Allocation Table

ファイルシステムは、コンピュータのリソースを操作するための、オペレーティングシステム (OS) が持つ機能の一つ。ファイルとは、主に補助記憶装置に格納されたデータを指すが、デバイスやプロセス、カーネル内の情報といったものもファイルとして提供するファイルシステムもある。

より正確に定義すれば、ファイルシステムは抽象データ型の集まりであり、ストレージ、階層構造、データの操作/アクセス/検索のために実装されたものである。ファイルシステムを特殊用途のデータベース管理システム (DBMS) と見なせるかどうかは議論があるが、ファイルシステムとデータベース管理システムには多くの共通点がある。

最も身近なファイルシステムは補助記憶装置上のもので、「セクタ」などと呼ばれる通常512バイトの固定サイズの「ブロック」の配列にアクセスするものである。ファイルシステムはこのセクタ群を使用してファイルやディレクトリを構成し、各セクタがどのファイルに使用され、使用されていないセクターはどれなのかを把握する必要がある。

しかし、ファイルシステム自体は記憶装置を利用する必要はない。ファイルシステムは何らかのデータへの操作とアクセスを提供するものであり、そのデータが記憶装置に格納されているか(例えば、ネットワーク接続経由で)動的に生成させるかは問題ではない。

ファイルシステムがストレージ上にあるかどうかに関わらず、一般的なファイルシステムはファイルのファイル名を束ねるディレクトリを持つ。通常、ファイル名は何らかのファイル・アロケーション・テーブルのインデックスと対応しており、それはMS-DOSファイルシステムであるFATでも、Unixファイルシステムでのinodeでもそのようになっている。ディレクトリ構造は平坦な場合もあるし、ディレクトリの下にサブディレクトリのある階層構造の場合もある。いくつかのファイルシステムではファイル名も構造化されていて、拡張子やバージョン番号の文法が存在する。そうでない場合、ファイル名は単なる文字列であり、ファイル毎のメタデータは適当な場所に格納される。

階層型ファイルシステムUNIXで有名なデニス・リッチーの初期の研究対象であった。それまでの実装では階層はあまり深くできなかった。例えばIBMの初期に生まれたデータベース管理システムであるIMSなどがそうである。UNIXの成功により、リッチーはその後のOS開発(Plan 9やInferno)でもファイルシステムのコンセプトを様々な対象に広げていった。

初期のファイルシステムはファイルとディレクトリの生成、移動、削除といった機能を提供していた。ディレクトリへの追加リンクを生成する機能(UNIXにおけるハードリンク)、親リンク(Unix系OSにおける「..」)の名称変更、ファイル間の双方向リンクの生成といった機能は当初は存在しなかった。

初期のファイルシステムはファイルの切捨て(内容を一部削除すること)、ファイルとファイルの連結、ファイルの生成、ファイルの移動、ファイルの削除、ファイルの更新などの機能を提供していた。ファイルの先頭へのデータ挿入 (prepend)、ファイルの先頭からの内容切捨て、任意の位置の内容の削除や挿入などといった機能は提供されていなかった。提供された操作は対称性に乏しく、どんな状況でも便利というものではない。例えばUNIXにおけるプロセス間のパイプはファイルシステム上には実装できない。というのもパイプはファイル先頭からの切捨てに対応できないためである。

ファイルシステムの基本操作への安全なアクセスはアクセス制御リストまたはケーパビリティに基づいて行われる。研究によれば、アクセス制御リストは完全なセキュリティを確保するのが困難といわれており、研究中の最新のOSではケーパビリティが使われる傾向にある。商用ファイルシステムはまだアクセス制御リストを使用している(コンピュータセキュリティ参照)。

また、アプリケーションソフトウェアの中にも、独自のファイルシステムを採用しているものがある。(FMRシリーズ・FM TOWNS用のワープロソフトウェアである「FM-OASYS」など)

ファイル・アロケーション・テーブル (File Allocation Table、FAT) とは、MS-DOSファイルシステム(および、その前身となったMicrosoft DISK-BASICのファイルシステム)におけるディスク内のファイルの位置情報などを記録するための領域である。これが転じて現在ではMS-DOSに採用されていたFATを用いるファイルシステムの名前としてFATファイルシステム、さらにそれを略してFATと呼ぶことも多い(なお後者でDISK-BASICのそれを指すことはまずない)。

オリジナルのFile Allocation Tableは1977年に、ビル・ゲイツとマーク・マクドナルドによって開発され、DISK-BASICの中のファイル管理仕様として採用された。

DISK-BASIC以降、MS-DOSファイルシステムでもFATが採用され、MS-DOSDOSとしてのデファクトスタンダードを確立し、さらにその後Windows NTで新しいファイルシステムNTFSを普及させた後も、FATを採用したファイルシステムは使われ続けている。

MS-DOS以降は、Windows Meまでの一般家庭向けのOSの標準ファイルフォーマットとして使用されていた。Windows NT系のOSでも使用可能であるが、他のWindowsからのアップグレードやリムーバブルメディアのために用意されているものであり、セキュリティなどの観点から必ずしも利用が推奨されておらず、FATを利用している状況下での動作制限も存在する。

フロッピーディスクの時代の設計を元にしてあるため、ディスク総容量に対し管理領域が少なくて済む、高速にアクセスできるなどの利点があるが、その反面、堅牢でない、大容量ディスクでは非効率、拡張性に乏しい、ファイル名が8文字+拡張子3文字までしか扱えない(VFAT非対応の場合)、タイムスタンプがローカル時間なのでタイムゾーンをまたいで使ったり夏時間・冬時間が違ったりすると正しく(意図した)ファイル変更時刻が表示できないことがあるなど様々な欠点がある。それでも、その特徴と実装の容易さ、読み書きできるオペレーティングシステムが多いことから、フロッピーディスクや小容量メモリーカード用のファイルシステムとして依然使われ続けている。現在はデジタルカメラビデオゲーム機などでも広く使われている。

FATは、クラスタ番号の管理ビット数によって「FAT12」、「FAT16」、「FAT32」の3種類がある(なお、DISK-BASICでは8ビットであった)。Windowsでは、FAT32を除いてFATと表示している。また、稀に「FAT64」と言う記述を見かけることがあるが、これはWindows NTで使用可能なクラスタサイズが64キロバイトFAT16を示し、クラスタ番号のビット数を示すものでは無い。

上記のようにリムーバブルメディアのファイルフォーマットとしてはFAT16またはFAT32が多く使用されているが、ボリュームとファイルのサイズ制限が問題になっている。このほか種々の問題を解決するため、exFATが開発された。

なお、VFATとexFATを除いた仕様は国際規格としてECMA-107とISO/IEC 9293として標準化されている。日本ではJIS X 0605規格として登録されている。

MS-DOS(エムエス-ディーオーエス、エムエスドス[1])は、マイクロソフトが開発・販売していた、8086系マイクロプロセッサをCPUとする、IBM PCおよびそれに似た構成の(たとえばPC-98など)パーソナルコンピュータ向けのオペレーティングシステム(OS)である。IBMへのOEM供給品であった PC DOS (IBM DOS)を自社製品として供給・販売したもので、バージョン6以降はPC DOSから完全に独立して開発された。

MS-DOS(およびPC DOS等)は、8086系のマイクロプロセッサをCPUとするパーソナルコンピュータ向けのシングルタスクのオペレーティングシステムで、DOS(ディスクオペレーティングシステム)の名の通り、ディスクの管理が主機能である(DOSという名前だからといって必ずしもそうとは限らないが、少なくともMS-DOSのプロセス管理機能は、シングルタスクに代表されるように、低機能・低性能である)。MS-DOSは改名された86-DOSであった。86-DOSCP/Mのクローンであったのでたった六週間で開発された[2]。

標準的なシェルは、コマンドラインインタフェース(CUI)のCOMMAND.COMである。GUIとしては、一部のメーカーが独自に追加したものや、後のバージョンで標準添付されたグラフィカルなツールもあった(DOSSHELLが、あまり使い勝手が良くなく、Windows2.11などが使われ始めていたこともあり、印象が薄い)。UNIX風の階層型のファイルシステムを持つが、ファイル名の制約などが厳しく機能は低い。

歴史的には1981年にIBMが初代IBM PC用に発売したDOSが「PC DOS」で、1982年よりマイクロソフトIBM以外のメーカーにOEM提供を開始したものが「MS-DOS」であったが、マイクロソフトは後に1981年から「MS-DOS」と呼んでいる。

両社はバージョン5まではOS共同開発契約(OSクロスライセンス契約)を結んでおり互換性が保たれた。当時は8ビット市場ではCP/Mが事実上の標準であったが、16ビット市場ではPC DOSならびにMS-DOSが主流となった。

MS-DOSは「IBM以外から提供されているPC DOS」として、IBM以外のメーカ製であるIBM PC互換機で広く使われたのみならず、IBM PC互換ではないが8086(およびその後継やAMD等による互換チップ)を積んだ、似たような構成の各社・各機種のパーソナルコンピュータ用のバージョンも各社あるいは各社の依頼によりMSで作られ、日本での例を挙げるならば、日本電気NEC)のPC-9800シリーズ、富士通のFMRシリーズ、東芝ダイナブックなどがある。後にはAXのベース、更には組み込み機器などに、広く普及し主流となった。

しかし、多くの「魅力ある」MS-DOSアプリは、アーキテクチャが異なる機種間での互換性はほとんど無かった。MS-DOSは画面描画に関わるAPIを持たないため、グラフィックメモリを操作して画面描画を行うアプリケーションはハードウェアを直接操作しており、機種依存となったためである[3]。また、たいていのマシンに「とりあえず使える似たようなフレームバッファ」機能がある現代とは異なり、各社の特色を出すべくグラフィックシステムも個性あるものが多かったことから、プログラムを書き直すのも容易でないことも多かった。

日本ではソフトウェアのみで日本語表示を可能としたDOS/Vが発売され、漢字V-RAM機能を持たないPC/AT互換機が普及した。

バージョン6からはIBMマイクロソフトのOS共同開発契約が終了し、後にMS-DOSPC DOSの単体販売やサポートも終了したため、2016年現在はオープンソースを含めた互換DOSの他、Microsoft Windowsコマンドプロンプト環境などのDOS互換環境が存在する。

MS-DOSは1995年時点で全世界で1億本を出荷した[4]。

指輪の無い結婚式

安いダンスホールはたくさんの人だかり
陽気な色と音楽と煙草の煙にまかれてた
ギュウギュウづめのダンスホール
しゃれた小さなステップ
はしゃいで踊りつづけてる おまえを見つけた

子猫のような奴でなまいきな奴
小粋なドラ猫ってとこだよ
おまえはずっと踊ったね

気どって水割り飲みほして
慣れた手つきで火をつける
気のきいた流行文句(はやりもんく)だけに
おまえは小さくうなづいた
次の水割り手にして
訳もないのに乾杯
こんなものよと微笑んだのは
たしかに つくり笑いさ

少し酔ったおまえは考えこんでいた
夢見る娘ってとこだよ
決して目覚めたくないんだろう

あたいグレはじめたのはほんの些細なことなの
彼がいかれていたし でも本当はあたいの性分ね
学校はやめたわ今は働いてるわ
長いスカートひきずってた のんびり気分じゃないわね
少し酔ったみたいねしゃべり過ぎてしまったわ
けど金がすべてじゃないなんて
きれいには言えないわ

夕べの口説き文句も忘れちまって
今夜もさがしに行くのかい
寂しい影落としながら
あくせくする毎日に疲れたんだね
俺の胸で眠るがいい
そうさおまえは孤独なダンサー

Hey Boy 窮屈 [きゅうくつ]で退屈
Who made me such a feeling
Hey Girl
バラ色に塗り潰そうぜ
Real にEverybody
おまえのDream and Power
貸しなよIt's alright
はじめよう俺たちだけの
Secret plan
小さなこの星を
やつらが好きに
Control
ぶち壊すための物さ
Hey Culture and History
MIRAI MIRAI 未来すべての大人は
MIRAI MIRAI 未来今の俺たちさ
MIRAI MIRAI 未来みんな手を組もうぜ
MIRAI MIRAI 未来地球を盗もうぜ
Au! Hey Boy Rock'n' Roll
Dance の好きなPresident
Hey Girl
Blue Jeans似合う No Blood
Beautiful Queen Everybody
同じこと繰り返すのは 御免さ
It's alright
神様もこれでMake him Happy Happy!!
世界中に仲間集めよう
Shout on the Street
今のうちに笑いな
Hey Men I'll get you back
MIRAI MIRAI 未来こんな世の中も
MIRAI MIRAI 未来俺たちしだいさ
MIRAI MIRAI 未来裏切るんじゃないぜ
MIRAI MIRAI 未来地球を盗もうぜ
まるごと そっくり REVOLUTION!!
[MIRAI MIRAI 未来…]

Apomixis

栄養繁殖(えいようはんしょく、英語:vegetative propagation)とは、植物の生殖の様式の1つ。栄養生殖(vegetative reproduction)とも呼ぶ。胚・種子を経由せずに根・茎・葉などの栄養器官から、次の世代の植物が繁殖する無性生殖である。

植物の繁殖様式の1つとして観察され、特に種子繁殖力が低い高次倍数体では一般的な繁殖様式である。農業でも作物の種苗生産に広く用いられており、イモ類や球根の例がある。以下は主に農業(園芸)の観点から、栄養繁殖について記述する。

鱗茎(りんけい、scaly bulb, bulb)
短い地下茎に、栄養分を貯めた葉が密生したもの。園芸でいう「球根」の多くは鱗茎である。 例:タマネギ、ニンニク、ユリなどユリ科植物
塊茎(かいけい、tuber)
伸びた地下茎の先端が栄養分を溜め肥大したもの。例:ジャガイモ、シクラメン
球茎(きゅうけい、corm, soid corm)
地下茎の基部が栄養分を貯めて球状になったもの。例:サトイモ、クワイグラジオラス
根茎(こんけい、rhizome, rootstalk)
水平方向に伸びた地下茎が肥大化したもの。例: ハス、タケ
ランナー(runner)
匍匐枝(ほふくし)、走出枝(そうしゅつし)とも言う。地上に伸びるが地下茎の一種。例:シダ植物の一部、イチゴ、ユキノシタ

塊根(かいこん、tuberous root, root tuber)
根が栄養分を溜め肥大したもの。  例:サツマイモ
横走根(おうそうこん、creeping root)
地下を水平方向に伸び、その先端や途上に地上茎を生じるもの。  例:ガガイモ

葉(は、leaf
一部の植物では、葉の周辺部に芽(不定芽)が作られ、植物体に成長する。 例:カランコエ
零余子(むかご、珠芽 brood bud, 鱗芽 bulbil, 肉芽 aerial tuber)
葉の付け根にできる芽が栄養分を貯めて球状となったもの。葉に由来する珠芽・鱗芽、茎に由来する肉芽がある。 例:ヤマイモ、ムカゴイラクサオニユリ
担根体(たんこんたい)
根でも茎でもない、ヤマノイモ属に特有の器官。 例:ヤマノイモなどヤムイモ類。
球根(きゅうこん、bulb)
塊茎・球茎・鱗茎・塊根・根茎・担根体の総称(園芸用語)

野菜(蔬菜)・果樹・花(花卉)の園芸各分野や、ガーデニング(家庭園芸・造園)で栄養繁殖による増殖が広く行われている。前記の栄養繁殖器官を種苗として用いるほかにも、挿し木(葉挿しを含む)、取り木、茎伏せ(圧条法)、株分け、接ぎ木などの手法がある。また、1980年代から、組織培養によって作成されたクローン苗も一部では利用されている。

接ぎ木は、果樹など種子での増殖が難しい木本植物の増殖にも用いられる。このような木本植物の接ぎ木は、一種の人為的な栄養繁殖と捉えることができる。

栄養繁殖は短い期間に同じ遺伝子型の作物を増殖させることができるが、一度ウイルスに感染すると、そのウイルスを保持したまま増殖することになる。ウイルスに感染した作物は収量や品質が劣るので、対策が必要になる。多くの作物ではその特性に変化がおきないように公的機関が大元になる種苗(原々種・原種)を生産し、それをさらに増殖した後に一般に配布する。一度ウイルス感染が起きてしまったものに対して、組織培養によるウイルスの除去(ウイルスフリー化)が行われることもある。

ウイルスフリーとは、生物がウイルスに汚染されていない状態のことを言う。一般的にウイルスフリーの植物では個体の成育が旺盛になる。

植物は動物と異なり、ウイルスを免疫系によって排除することができない。つまり、一度ウイルスに感染した植物は一生そのウイルスから逃れることは難しい。しかし、通常胚の中にまではウイルスは浸透しない。つまり、種子はウイルスフリーであり、種子から発生した植物はウイルスフリーであるといえる。
だが、植物の中には球根や挿し木など種子以外で繁殖する物が多く、またこれらの植物をウイルスフリー化することは以下の方法を持って行われている。

植物体の茎頂や葯壁細胞はウイルスに感染していないことが知られており、これらの細胞を培養して個体を再生することでウイルスフリー株を作る。ウイルスフリー株は再感染を防ぐため、厳重に管理・増殖される。

現在販売されているイチゴやカーネーションなどは、ほとんどがウイルスフリー化されている。

無菌動物(英: Germ-free animals)とは体内および体表に微生物(ウイルスや寄生虫を含む)が存在しない動物(現実的には検出可能な全ての微生物が存在しない動物)。無菌動物はウイルス、細菌、寄生虫などの要因を制御するために無菌のアイソレータ内で飼育される[1] 。無菌動物に既知の細菌や微生物群を定着させた動物はノトバイオートと呼ばれる。無菌動物は哺乳類では妊娠末期の母獣の帝王切開あるいは子宮切断により、魚類、昆虫、鳥類では卵の外側を薬液で滅菌後にアイソレータ内で孵化させることによって作出される。子宮内や卵は一般に無菌状態であるが、微生物で汚染されている場合もあるので、厳密な無菌操作を行っても無菌動物を作出できない場合もある。

無菌動物はプロバイオティクスの研究やコンタミネーションが実験に影響を及ぼすために注意深い制御が必要な研究で用いられる[2]。

無菌動物は、盲腸の容積が大きく、寿命が長いなどの特徴を有する[3]。

微生物がいる腸壁では指状突起が長く伸びて表面積が大きく、微生物がいない腸壁では表面積が小さい。このため無菌マウスでは通常のマウスに比べて同じエネルギーを得るために30%多く食物を摂取しなければならない[4]。

^ University of Michigan Germ Free Animal Facility - example facility for raising germ-free animals
^ Of Probiotics and Possibilities - J. Armbrecht. Dept of Bacteriology, University of Wisconsin-Madison. August 2, 2000.
^ http://wwwcrl.shiga-med.ac.jp/home/seminar/toku_sem/sp96/sep10am/home.html
^ アランナ・コリン著、矢野真千子訳『あなたの体は9割が細菌』 2016年8月30日、河出書房新社、ISBN978-4-309-25352-7
光岡知足ほか編集 『獣医実験動物学』 川島書店 1990年 ISBN 4761004282

植物では、体細胞から不定胚発生をするアポミクシス(無性胚発生)がギニアグラスなどで、珠心細胞が胚発生する多胚現象が柑橘類やマンゴーで観察されている。

アポミクシス(無融合生殖、Apomixis)とは、主に植物において通常有性生殖によって生じる繁殖体が、受精を伴わない無性生殖によって生じる繁殖体に置き換わることである。本来花がつくところに球根やむかご、あるいは芽が形成されることは、典型的なアポミクシスの例である。しかし、挿し木や切れ藻からの無性的な生長はアポミクシスとは言わない。受精を伴わないため、アポミクシスによって生じた繁殖体は親植物と遺伝的に同じクローンとなる。

被子植物においては、アポミクシスは受精を伴わない種子生産(無融合種子形成、Agamospermy)のことを指し、より限定的な意味で用いられる。また、アポミクシスによって繁殖する植物のことは、アポミクトという[1]。

アポミクシスによって繁殖している被子植物の例としては、サンザシ、ザイフリボク、ナナカマド、キイチゴブラックベリータンポポなどが挙げられる。またシダ植物の配偶体は、本来雌雄の配偶子が融合して胞子体を形成するが、配偶子が単為生殖によって胞子体を形成する無配生殖を行うことがあり、これもアポミクシスに含まれる。一代雑種(F1)の親品種の遺伝子型をアポミクシスで維持し、特性の均一な品種を大量に生産する技術などに応用されている[4]。

アポミクシスは、受精を伴わずに種子などの繁殖体を生産する生殖過程の総称として用いられる用語である。具体的には、卵細胞からそのまま繁殖体を生じる単為生殖や、助細胞や反足細胞から繁殖体を生じる無配生殖(アポガミー)、体細胞から発生する無胞子生殖(偽単為生殖)、不定胚形成などがアポミクシスに含まれる[1]。

このように、アポミクシス(無融合種子形成)は様々なメカニズムによって生じており[2]、異なるメカニズムによる種子生産を単純に分類することはできない。従って、アポミクシスという用語は、学者(もしくは扱う対象)によって微妙に異なったニュアンスで用いられる。また「減数分裂が正しく行われなかった卵細胞は受精することができない」という誤った情報に基づいた古い文献[3]の中には、動物学用語である単為生殖をアポミクシスと符合させようとして、アポミクシスを異なった解釈でとらえているものもある。

アポミクシスは、大きく分けて複相性アポミクシスと減数性アポミクシスに分けられる。前者は体細胞などから直接繁殖体を生じるために、減数分裂を伴わないアポミクシス(核相は2n)、後者は卵細胞など減数分裂によって生じた生殖細胞から、単為的に発生するアポミクシス(核相はn)である[1]。またアポミクシスの過程には様々な種類が存在し、細かく分けると以下のように分類される[5]。

Non-recurrent Apomixis
Non-recurrent Apomixis では、大胞子母細胞は通常の減数分裂を経て半数体の胚嚢を生じる。種子となる胚は、減数分裂後の半数体の卵細胞もしくは半数体の配偶体から生じる。つまり、Non-recurrent Apomixisによって生じる子孫は親の染色体を半数しか受け継がず、核相はnになる。
配偶体無融合生殖(Gametophytic Apomixis)
配偶体無融合生殖においては、減数分裂が完了しないため、胚嚢は親植物と同じ染色体数となる。種子を形成する胚は通常、胞原細胞または胚嚢から生成される。
不定胚形成(Adventitious Embryony、Sporophytic Apomixis、Sporophytic Budding)
不定胚形成においては、胚嚢が胚珠に形成されている場合もあるが、胚は胚嚢の細胞からは生じない。胚は、珠心や外被の細胞から不定胚として生じる。この不定胚形成を行う植物としては、ミカンやマンゴーなどが挙げられる[1]。
Vegetative Apomixis
Vegetative Apomixisは、花がつく場所にむかごや他の無性的な胎芽が形成されることを指す。そこに形成された芽などは脱落して発芽することもあるが、植物体にくっついた状態で発芽することもある。この場合核相は2nとなり、例としてはネギ属のニラなどが挙げられている[6]。

また特殊な例として、種子が胚珠などの雌性細胞なしに、花粉のみで種子などの繁殖体を生産する、雄性アポミクシスの例も知られている。この例は、2000年にサハラ砂漠の針葉樹であるイトスギの一種(Cupressus dupreziana)で発見された[7][8]。これに似たメカニズムはまれに他の動植物で起こっており、雄性発生(Androgenesis)として知られている。

アポミクシスによって生じた子孫は親と遺伝的な違いがないクローンになるため、親の特徴が次世代に保存的に受け継がれ、同種の別クローン由来の個体と形態的、生殖的に隔離されることも多い。したがって、形態的に区別できるクローンを小種(microspecies)として分類することもある。一つの属(あるいは一つの種)に、何百あるいは何千の小種が確認されることもある。その小種は慣例的に「属名 種小名 agg.」と記載される。例えばブラックベリーの学名は、「Rubus fruticosus agg.」と記載される。

無性的に繁殖することで有性生殖の進化的な長所(遺伝的多様性の増加など)は失われるが、それを補うように有性繁殖をすることもある。クラウセン[9]は「ヘンリー・フォードが流れ作業を自動車の製造に取り入れるずっと前に、植物ではアポミクシスによって効果的に大量生産が行われていた。……条件的アポミクシスは多様性を減じるどころか、変種を生じることすらある。」と述べた。ここで言う条件的アポミクシス(Facultative Apomixis)とは、アポミクシス以外の有性生殖による繁殖も行っていることを意味する。実際の植物では、アポミクシスは条件的に起こっているとされており[2]、完全にアポミクシスのみで次世代を維持する絶対的アポミクシス(Obligate Apomixis)は、実験的にしか生じないと考えられている。

アポミクシスによって生じる植物は、元の植物と遺伝子的に同一なクローンとなるため、農作物で利用される一代雑種の親品種を固定する時などに利用される。例えばギニアグラス(Megathyrsus maximus)では、有性生殖を行う系統がアフリカで発見されており、その系統を掛け合わせて目的の特性を持った品種を作出し、それ以降はアポミクシスによってその特徴を維持することで品種を固定している[6]。またもともとアポミクシスを行わない植物にアポミクシス性を導入することによって、一代雑種の生産を容易にする試みがなされている[10]。実際にコムギなどではアポミクシスによって繁殖する系統が見出され、育種に利用されているが、イネなどではアポミクシス性を持つ野生種が見つかっておらず、アポミクシス性を持つイネはまだ品種改良に利用されていない[11]。

^ a b c d 山田(2007)p.150
^ a b Savidan, Y.H. (2000). Apomixis: genetics and breeding. 18 Plant Breeding Reviews 13-86.
^ Fitting, H., et al. 1930. Textbook of botany (Strasburger's textbook of botany, rewritten). Macmillan, London.
^ 「アポミクシス: 植物育種のフロンティアー : 国際アポミクシス学会に参加して」育種学雑誌 46 (2) p.202
^ Maheshwari, P. 1950. An introduction to the embryology of the angiosperms. McGraw-Hill, New York.
^ a b 山田(2007)p.151
^ Pichot, C., et al. (2000). Lack of mother tree alleles in zymograms of Cupressus dupreziana A. Camus embryos Annals of Forest Science 57: 17-22(PDF)
^ Pichot, C., et al. (2001). Conservation: Surrogate mother for endangered Cupressus. Nature 412(6842):p.39.
^ Clausen, J. (1954). Partial apomixis as an equilibrium system. Caryologia, Supplement: 469-479.
^ 山田(2007)p.152
^ 山田(2007)p.153

遊走子(ゆうそうし)
zoospore
胞子(spore)に運動性を示す接頭辞zoo-(動物園zooと同語源)が結合。文字通り「泳ぐ胞子」で精子でないので、(受精などはせずに)そのまま発芽成長する。