アメリカンエキスプレスと田舎の金券ショップ。お互いケチでなくてはいけない場面。

アメリカンエキスプレスギフトカード。これはどこに出しても恥ずかしくない最高級のギフトカードだ。世界中どこでも使える。見た目もゴールド。だいたい「Amazon」「ギフト券」でググって一番最初に出てくるのがこのギフトカードだ。3000円のギフトカードなのに定価が3290円もする。

「いくらで買ってくれます?」

「ごめんね。これ今8割ぐらいにしかならないのよ。」

「8割?アメリカンエキスプレスですよ?世界中どこでも使える。」

「ちょっと待っててね。ねえ!このギフトカードいくら?」

「ああ?いいよ。85パーで。」

「85パー?それって全国共通百貨店券より安いじゃん。」

「そうなのよ。うちはね…。なんせ悪い事する人多いから。うちも信用でやってるもんでね。」

「ああ。そうだよ。全国共通百貨店券だったら偽物でも使えるからね。」店主が言った。

「偽物じゃ困るからこんなに綺麗に包装されてるんでしょうに。」

「東京じゃわかんないけどウチだと8割5分しか出せないな。」

「信じられない。98パーじゃなくて?」

「98!」奥方が笑った。

「悪いけどこの包装も破らせてもらうよ。」

「8割5分?」

「うん。」

「どうぞ?」

ビリビリ。ああ。

「それとこの裏面のスクラッチも削らせてもらうよ。一回使ってあるやつかどうか調べなきゃならない。」

コリコリ。店主はパソコン画面に向かって何回かマウスをクリックした。

「おー。あった。あった。」

奥方「ごめんねー。」

「だから安全に作られてるんでしょうが。偽造できないように。」

奥方が8割5分の現金をガラスケースの上に置いた。

キャッチミーイフユーキャン。これはディカプリオとトムハンクスの映画です。スティーブンスピルバーグ監督。ノンフィクションです。どうぞご覧あれ。

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