原子核と量子重力
なぜデルタ関数的に縮退するのか。なぜエネルギーが低いのが鉄かCrか。核収縮は利便性があるのか。エントロピーが関係ないのか。利便性かエントロピーか。フルエントロピー。229
ド・モアブルの定理(ド・モアブルのていり。ド・モアブルの公式(ド・モアブルのこうしき)とも)とは、複素数(特に実数)θ および整数 n に対して
(
cos
θ
+
i
sin
θ
)
n
=
cos
n
θ
+
i
sin
n
θ
(cos heta +isin heta )^{n}=cos n heta +isin n heta
が成り立つという、複素数と三角関数に関する定理である。定理の名称はアブラーム・ド・モアブル (Abraham de Moivre) に因むが、彼がこの定理について言及したわけではない[1]。帰納法による証明では、三角関数の加法定理が利用される。
実数 θ と正の整数 n に対してド・モアブルの定理を考えると、左辺を展開し右辺と実部・虚部を比較することにより、n 倍角の公式が導出される。すなわち、ド・モアブルの公式は三角関数の n 倍角の公式を内在的に含んでいる。
オイラーの公式:
e
i
θ
=
cos
θ
+
i
sin
θ
{displaystyle e^{i heta }=cos heta +isin heta } によれば、この定理は複素変数の指数関数に関する指数法則(の一つ)
(
e
i
θ
)
n
=
e
i
n
θ
(
θ
∈
C
,
n
∈
Z
)
{displaystyle (e^{i heta })^{n}=e^{in heta }quad ( heta in mathbb {C} ,,nin mathbb {Z} )}
の成立を意味するものである。
ド・モアブルの定理は指数が非整数のとき一般には成り立たない。それは、複素数の非整数乗は複数の異なる値を取る(多価関数)からである(冪乗#指数・対数法則の不成立参照)。n が整数でないとき、ド・モアブルの定理における n 乗の式は、等式が成立する値を含めた複数の値を取ることとなる。
θ を実数、w を複素数とすると
{
exp
(
i
θ
)
}
w
=
exp
{
w
log
exp
(
i
θ
)
}
=
exp
{
w
i
(
θ
+
2
n
π
)
}
=
exp
(
i
w
θ
)
exp
(
2
n
π
i
w
)
{exp(i heta )}^{w}=exp{wlog exp(i heta )}=exp{wi( heta +2npi )}=exp(iw heta )exp(2npi iw) (n は整数)
である。したがって、w が整数であれば
{
exp
(
i
θ
)
}
w
=
exp
(
i
w
θ
)
⋅
1
=
cos
(
w
θ
)
+
i
sin
(
w
θ
)
{exp(i heta )}^{w}=exp(iw heta )cdot 1=cos(w heta )+isin(w heta )
という 1 つの値を取るが、w が整数でないときは
cos
(
w
θ
)
+
i
sin
(
w
θ
)
cos(w heta )+isin(w heta ) を含む複数の値を取ることになる。
{exp(iθ)}w の値の取り方について、w が有理数であれば、w =
a
b
(a, b は互いに素)と表すと、2nwπ = 2π ×
na
b
であるから、n = 0, 1, …, b − 1 で循環し、b 個の値を取る。w ∉ Q (無理数または虚数)ならば循環せず、可算無限個の値を取る。
1の冪根
1の冪根(いちのべきこん、英: root of unity)、または1の累乗根(いちのるいじょうこん)は、数学において、冪乗して 1 になる(冪単である)ような数のことである。すなわち、ある自然数 n が存在して
zn = 1
となる z のことである。通常は複素数の範囲で考えるが、場合によっては p 進数のような他の数の体系内で考える場合もある。以下では主として複素数の場合について述べる。
自然数 n に対し、m (< n) 乗しても 1 に決してならず、n 乗して初めて 1 になるような 1 の冪根は n 乗根として原始的 (primitive) であるという。自然数 n を固定せず、1 の原始 n 冪根あるいは 1 の原始 n 乗根として得られる数を総称し、1の原始冪根(いちのげんしべきこん)、または1の原始累乗根(いちのげんしるいじょうこん)という。
複素数の範囲では、1 の原始 n 乗根は n ≥ 3 のとき2つ以上存在する。ド・モアブルの定理より、1 の原始 n 乗根の一つは
ζ
n
=
cos
2
π
n
+
i
sin
2
π
n
\zeta_n =\cos \frac{2\pi}{n} +i\sin \frac{2\pi}{n}
で与えられることが分かる。この時、ζn の共役複素数 ζn も 1 の原始 n 乗根である。n と互いに素な自然数 m に対して ξnm は 1 の原始 n 乗根であり、逆に 1 の原始 n 乗根はこの形に表せる。すなわち、1の原始 n 乗根は、オイラーのφ関数を用いて、ちょうど φ(n) 個存在する。
方程式 xn = 1 を考える。この方程式の根は、ド・モアブルの定理より、
x
=
cos
2
π
k
n
+
i
sin
2
π
k
n
(
0
≤
k
≤
n
−
1
)
x=\cos {\frac {2\pi k}{n}}+i\sin {\frac {2\pi k}{n}}\quad (0\leq k\leq n-1)
であるが、1 の原始 n 乗根 ξn を一つ選べば、
x
=
ξ
n
k
(
0
≤
k
≤
n
−
1
)
x={\xi _{n}}^{k}\quad (0\leq k\leq n-1)
と書くことができる。
また上記のように根を三角関数で表すことは容易であるが、それが根号を用いて表示できること、つまり方程式が代数的にも可解であることはガウスにより証明された。
1の原始冪根の例 編集
以下、i は虚数単位である。
以下、i は虚数単位である。
ξ2 = −1
ξ
3
=
−
1
±
3
i
2
\xi_3 =\frac{-1\pm \sqrt{3}\,i}{2}(しばしば ω と書かれる)
ξ4 = ±i
ξ
5
=
−
1
+
5
±
i
10
+
2
5
4
,
−
1
−
5
±
i
10
−
2
5
4
\xi_5 =\frac{-1+\sqrt5\pm i\sqrt{10+2\sqrt5 } }{4}, \frac{-1-\sqrt5 \pm i\sqrt{ 10-2\sqrt5 } }{4}
ξ
6
=
1
±
3
i
2
\xi_{6}=\frac{1\pm\sqrt3\,i}{2}
1 の冪根は全て、ガウス平面における単位円上にある。また概要で述べたことは 1 の n 乗根の全体が位数 n の巡回群となることを示している。
a を複素数とするとき、a の n 乗根を任意に一つ選んで n√a と記せば、1 の n 乗根に各々 n√a を掛けたものが複素数係数の方程式 xn − a = 0 の根の全体となる。
1 の n 乗根をガウス平面上に表し、線分で結ぶと単位円に内接する正 n 角形となる。これは 1 の原始 n 乗根の一つを ξn として以下の式が成り立つことと同じである:
∑
k
=
0
n
−
1
ξ
n
k
=
1
+
ξ
n
+
ξ
n
2
+
⋯
+
ξ
n
n
−
2
+
ξ
n
n
−
1
=
0
円分体 (えんぶんたい、英: cyclotomic field) は、有理数体に、1 の
m
(
>
2
)
m(>2) 乗根
ζ
(
≠
±
1
)
\scriptstyle \zeta (\neq \pm 1) を添加した代数体である。円分体およびその部分体のことを円体ともいう。
以下において、特に断らない限り、
ζ
n
=
e
2
π
i
/
n
\zeta _{n}=e^{{2\pi i/n}} とする。
3 以上の整数 m に対して、円分体
Q
(
ζ
m
)
\scriptstyle {\mathbb {Q}}(\zeta _{m}) の拡大次数
[
Q
(
ζ
m
)
:
Q
]
\scriptstyle [{\mathbb {Q}}(\zeta _{m}):{\mathbb {Q}}] は、
φ
(
m
)
\scriptstyle \varphi (m) である。但し、
φ
(
n
)
\scriptstyle \varphi (n) はオイラー関数である。
任意の円分体は、ガロア拡大体であり、ガロア群は、アーベル群である。
3 以上の整数 m に対して、
m
=
p
1
e
1
⋯
p
r
e
r
\scriptstyle m=p_{1}^{{e_{1}}}\cdots p_{r}^{{e_{r}}} (
p
1
,
…
,
p
r
\scriptstyle p_{1},\ldots ,\ p_{r} は、相異なる素数、
e
1
,
…
,
e
r
≥
1
)
\scriptstyle e_{1},\ldots ,e_{r}\geq 1) と素因数分解すると、
Q
(
ζ
m
)
{\mathbb {Q}}(\zeta _{m}) は、
Q
(
ζ
p
1
e
1
)
,
…
,
Q
(
ζ
p
r
e
r
)
{\mathbb {Q}}(\zeta _{{p_{1}^{{e_{1}}}}}),\ldots ,\ {\mathbb {Q}}(\zeta _{{p_{r}^{{e_{r}}}}}) の合成体であり、
Gal
(
Q
(
ζ
m
)
/
Q
)
≅
(
Z
/
m
Z
)
×
≅
(
Z
/
p
1
e
1
Z
)
×
×
⋯
×
(
Z
/
p
r
e
r
Z
)
×
\operatorname {Gal}({\mathbb {Q}}(\zeta _{m})/{\mathbb {Q}})\cong ({\mathbb {Z}}/m{\mathbb {Z}})^{{\times }}\cong ({\mathbb {Z}}/p_{1}^{{e_{1}}}{\mathbb {Z}})^{{\times }}\times \cdots \times ({\mathbb {Z}}/p_{r}^{{e_{r}}}{\mathbb {Z}})^{{\times }}
が成立する。また、円分体
Q
(
ζ
m
)
\scriptstyle {\mathbb {Q}}(\zeta _{m}) で分岐する有理素数[1]は、
p
1
,
…
,
p
r
\scriptstyle p_{1},\ldots ,\ p_{r} に限る。
Q
(
ζ
m
)
∩
R
=
Q
(
ζ
m
+
1
/
ζ
m
)
\scriptstyle {\mathbb {Q}}(\zeta _{m})\cap {\mathbb {R}}={\mathbb {Q}}(\zeta _{m}+1/\zeta _{m}) である。この
Q
(
ζ
m
+
1
/
ζ
m
)
\scriptstyle {\mathbb {Q}}(\zeta _{m}+1/\zeta _{m}) を、最大実部分体または実円分体という。
一意分解整域である円分体
Q
(
ζ
m
)
\scriptstyle {\mathbb {Q}}(\zeta _{m})
(
m
≢
2
\scriptstyle (m\not \equiv 2 (mod 4))[2]は、m = 3, 4, 5, 7, 8, 9, 11, 12, 13, 15, 16, 17, 19, 20, 21, 24, 25, 27, 28, 32, 33, 35, 36, 40, 44, 45, 48, 60, 84 だけである。
特に、23 以上の素数 p に対して、円分体
Q
(
ζ
p
)
\scriptstyle {\mathbb {Q}}(\zeta _{p}) は一意分解整域ではない。
類数が 2 である円分体
Q
(
ζ
m
)
\scriptstyle {\mathbb {Q}}(\zeta _{m})
(
m
≢
2
\scriptstyle (m\not \equiv 2 (mod 4)) は、m = 39, 56 だけである。
円分体
Q
(
ζ
m
)
\scriptstyle {\mathbb {Q}}(\zeta _{m}) に含まれる代数的整数の集合は、
\scriptstyle {\mathbb {Z}}[\zeta _{m}] である。